
現社長・小島真一の祖父は、終戦時、手元にあったグリセリンを活用し昭和21年(1946年)に「モナ化粧品本舗」という化粧品会社を立ち上げました。モナという名は「モナリザ」のモナが由来。
物が何もない時代に『化粧品の安定供給』を実現し、モナ化粧品は瞬く間に日本の化粧品会社のトップ2~3に駆け上りました。
モナ化粧品は、スキンケアからメイクアップまでトータルに提供する総合ブランドで、当時としてはとてもモダンでアートかつオシャレなパッケージデザインや世界中のカルチャーを紹介するコンテンツを提供し、単なる化粧品会社ではなく、美容の価値や意義も伝えながら、お客様を楽しませワクワクさせるとても夢のある魅力的なブランドだったのです。
しかし、その後日本の化粧品市場では乱売合戦が起きてしまい、問屋を通じた一般流通のモナ化粧品もその波に飲み込まれ業績を悪化させていってしまいます。そして、昭和49年(1974年)ロート製薬に吸収合併され28年間の歴史に幕を閉じました。
祖父の息子であるフェースの創業者は、その後、いくつかの化粧品会社を転々としていました。
1977年、「化粧品公害裁判」が起きました。化粧品公害裁判とは、多くの女性が化粧品によって顔面黒皮症を発症し、大阪の患者18名が大手化粧品会社8社を相手に損害賠償等の支払いを求めた裁判のことです。
父の代から化粧品事業に従事してきたフェース創業者は、それまで「化粧品は使えば美しくなるもの」と思い込んでいたため、この事件に大きなショックを受けると同時に、「化粧品っていったい何でできているのだろう?」という『本質的な問い』を抱き始めました。
当初は黒皮症事件の原因として、合成界面活性剤が一番疑われていたため*「合成界面活性剤を使わない化粧品が必要」という仮説を立て、この課題を解決するための探究を始めたのでした。
*...最終的に黒皮症の原因は、ある色素に含まれる不純物であることが判明しました
「化粧品公害裁判」をきっかけに、「絶対にきれいになれる化粧品をつくりたい」という想いは、一層強いものになっていきました。
様々な調査・研究、化粧品関係者との出会いを通じて、ついに辿り着いたのが、合成界面活性剤を使わない「ゲル化粧品」です。
すでに、10年の時が過ぎていた 1987年、長年の『本質的な問い』の解決を胸にフェースは創業しました。
美しくありたいという女性の想いに対して「誠実」に、 そして、そのためのモノづくりに対しても一点の曇りなく「誠実」に向き合っていきたい」という意志を刻むために、FAITH=「誠実」という社名をつけました。
社名に刻まれた強い意志を実現するため、「肌に悪い(と思われる)成分は使わない」という基本方針を立て、合成界面活性剤はもちろん、パラベン・色素・香料を含めた旧表示指定成分の全てと、フェノキシエタノール・エタノール・鉱物油も不使用としました。
加えて、故・西岡一先生(同志社大学名誉教授1934-2014)が開発された活性酸素発生の測定方法「カット・ソッド・アッセイ」を用いて、使用する原料から活性酸素が発生しないかどうかチェックする仕組みを作りました。
これらは「誠実」という創業の想いをカタチにし、「安心・安全」な化粧品の提供を実現した証であり、今なおフェースの拘りとして大切に受け継がれています。
併せて、それまでの商慣習を打ち破り、メーカーだけではなく販売店・お客様も含めた全体の利を考える取引体系(フェースメンバーズクラブ)を構築するなど、様々な革新に取り組んでいきました。受け継がれた歴史は、モナ化粧品の「安定供給」の時代から、「安心・安全」をお届けするステージへと進化したのです。
フェースは、2017年に創業30周年を迎え、「誠実」という創業の精神とフェースの歴史を振り返りました。
長年ご愛用いただいている多くのお客様の「肌結果」、そして、実際のご愛用者様の声から「素肌が変わり輝きを提供することで、心・人生もハッピーにできること」という真の価値を実感したのです。それは、FAITHという社名に込めた想いを真摯に取り組み続けてきた成果です。
2018年、現社長・小島真一は、これらの価値を改めて再認識し、未来のフェースを築きあげ、新しいステージに進化させるために、会社のミッションを定義しました。
それが、「最短で最善の肌結果の実現」そして、「心の彩りを提供」することです。
さらに、このミッションを実現するための想いを込めて、主力ブランドである「ラメラモード」のパッケージ正面に、昔、動詞として使用されていた「FAITH」という言葉の2つの意味(110年前の英英辞典に掲載)を記載しました。
1.「たとえ不可能、見込みがない、賢明でないと思っても信じる」
2.「誰か、何かを信用・信頼することを全うする」
この2つは、FAITHという言葉の本質的な解釈であり、フェース創業者がやり抜いてきたこととも一致し、また、自分自身と関わる人(お客様・お取引先様・パートナー企業様・社員)の無限の可能性、より美しく健やかに豊かに“happy”に生きることのできる可能性を心の底から信用・信頼することを示す言葉です。
「お客様の可能性を信じて寄り添う」と共に、「誠実」という信条のもとに開発された化粧品、そして、そのノウハウであるフェースビューティメソッドで、これらからも、お客様の肌結果を実現し、心の彩りを提供していきます。
受け継いできた大切な歴史を尊重しつつ、時代の変化をしなやかに受け入れていく。まさに不易流行の精神で、 信用・信頼を大切に後世へとバトンを繋いでいくことがフェースの使命だと考えています。
常に、100年後の「FAITH」を見据えて。